喘息のはなし

ストレスが喘息発作の原因になる3つの理由

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ストレスは喘息発作の原因になる

厚生労働省の調査によると、「喘息の発作が起きたり、喘息が悪化するきっかけ」として「ストレス」と回答した人が40.6%もいました。
(※長期管理薬を継続して服用し、2ヶ月に1回以上定期的に受診している人を対象として調査した結果。)

ストレスは、喘息発作の原因ランキングの第5位にランクインしており、喘息患者にとって大敵です。

この記事では、なぜストレスで喘息が悪化するのか、その理由を解説します。 また「心と喘息の関係」を調査した研究結果についてもご紹介します。

ストレスで喘息が悪化する理由

ストレスで喘息が悪化する理由には3つあると考えられています。

  1. 体の抵抗力・免疫力の低下
  2. 自律神経の乱れによる、気管支収縮物質の放出
  3. アレルギーの元になる「IgE抗体」が作られる

① 体の抵抗力・免疫力の低下

適度なストレスは、仕事や生活に適度な緊張感をもたらしてくれるものです。 しかし過重なストレスが継続したり、うまく解消できないでいると、体調を崩してしまうことは誰もが経験していることだと思います。

過重なストレスは、体を細菌やウィルスなどの外敵から守ってくれている「免疫系」の働きを弱めてしまいます。 その結果、風邪をひきやすくなったり、持病の調子が悪くなったりしてしまうわけです。

気管の炎症が悪化してしまう

ストレスによって免疫力が下がったり、体力が低下したりすると、喘息の原因になっている慢性的な気管支の炎症が悪化します。 体が元気なときはしっかりコントロールできている喘息も、体力の低下によってコントロール状態が悪くなり、喘息発作が起きやすくなってしまいます。

ストレスにより喘息コントロールが不良に

② 自律神経の乱れによる、気管支収縮物質の放出

気管支喘息であるかどうか診断するための検査の一つに、「気道過敏性検査」という検査があります。

気道過敏性検査は、気管支を収縮させる作用がある「気管支収縮物質」をわざと吸入させ、どのくらいの量で反応するか(気管支が収縮してしまうか)をテストする検査です。 気管支喘息の人は、普通の人なら反応しない低い濃度の気管支収縮物質でも反応してしまう傾向があるため、その反応を見るわけです。 もちろん、発作を起こしてしまう程の量が使われることはなく、気管支収縮物質の投与前と投与後の「1秒率」の変化で判定されます。

この気道過敏性検査に使われる「気管支収縮物質」は、「ヒスタミン」や「アセチルコリン」という物質です。 「ヒスタミン」や「アセチルコリン」には、気管支を収縮させる働きがあります。

ところが、この「ヒスタミン」や「アセチルコリン」という物質は、自律神経が乱れると放出される物質でもあるのです。

過大なストレスを受けると自律神経が乱れ、「ヒスタミン」や「アセチルコリン」といった気管を収縮させる働きがある物質が放出されます。 普通の人なら反応しない程度でも、喘息患者の人の場合は、それらに敏感に反応してしまって気管が収縮し、喘息の調子が悪くなってしまうわけです。

自律神経の乱れのために喘息コントロールが不良に

③ アレルギーの元になる「IgE抗体」が作られる

「IgE抗体」はアレルギー反応に非常に関係している物質で、血液検査でアレルギーを調べるときは、「IgE抗体の量」を調べています。 例えば、ネコ・アレルギーであれば、ネコ・アレルギー特有のIgE抗体が、血液中に多く含まれます。

「IgE抗体」の生成は、免疫細胞の一つである「T細胞」が深く関係しています。

  • Th1細胞...IgE抗体の生成が作られすぎないように、ブレーキをかける役目。
  • Th2細胞...IgE抗体をどんどん作る、アクセルを踏む役目。

T細胞は、IgE抗体をどんどん作ろうとする「Th2細胞」と、IgE抗体の生成を抑える「Th1細胞」があり、両者が上手くバランスを取っています。

ところが、ストレスを溜め込んでしまうと、ブレーキ役の「Th1細胞」の働きを抑制する「アドレナリン」が放出されてしまうのです。

アドレナリンは交感神経が作る「興奮物質」です。 ストレスを解消できないでいると、体の防衛反応の一つとして「アドレナリン」が沢山作られ、それによって「IgE抗体」が作られすぎるのを防ぐ「Th1細胞」の働きを弱め、その結果として、「IgE抗体」の量が増えてしまいます。

IgE抗体の量が増えると、アレルゲンに対しての感受性が増し、アレルギー反応が起きやすくなります。 その結果、喘息が悪化しやすくなるわけです。

心と喘息はかなり密接に関係している?

ストレスによって喘息が悪化する仕組み・理由を解説してきました。

実は、喘息は「心」と密接に関係しているのではないか、という研究がありますのでご紹介します。

  • 「バラの花粉で喘息が起こる」という婦人に、『造花のバラ』を見せたら発作が起こった。(1886年)
  • 「病院に入院すると喘息の症状が治まる」というハウスダスト喘息の小児18人に、病院内でハウスダストにさらさせたところ、14人にハウスダストによる皮膚変化が見られたが、呼吸器に変化があった子どもは1人もいなかった。(1966年)

上記の他にも、心と喘息の関係を調査した研究は多くあり、ある研究では『気管支喘息の60.9%に心因的なものが関わっていて、小児喘息では約81.9%に、心因的なものが関係している』と報告されています。

過去には「喘息は心の病」などと言われていた時代もありましたが、現在それは否定されています。

喘息の全てが心因性ということではありません。 しかし『ストレスをためないこと』『心をなるべく安定させること』が、喘息をコントロールする上でとても重要なのは間違いなさそうです。 想像力をたくましくして考えると、大人の喘息が増えている理由の一つに、ストレスが多い現代社会があるのかもしれませんね。

うまくストレス・コントロールを行って、喘息の発作が起きないようにしていきたいですね!

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